
拝啓
毎日、毎日、毎日。
あなた様からの「特別なご案内」を
拝受しております。
朝の6時12分。
昼の12時03分。
夜の21時44分。
規則正しく届くそれは、
もはや私の生活の一部となりました。
最初は迷惑メールフォルダへ移しました。
次に受信拒否を設定しました。
それでも、名前を変え、差出人を変え、
ドメインを変え、あなた様は現れ続ける。
大変な努力だと存じます。
その執念に、心より敬意を表します。
さて、本題です。
配信停止をお願い致します。
私はあなた様の商品を購入する
予定はございません。
「今だけ」「限定」「残り3名様」
そのどれもが、私の心を
動かすことはありません。
ですが。
あなた様は、私の生活リズムを
把握しているようですね。
朝の通知音と同時に目覚めること。
昼休憩のタイミング。
就寝前にスマートフォンを見る癖。
偶然でしょうか。
それとも。
私は気づいてしまいました。
昨日は6時11分でしたね。
1分早かった。
何か、焦っていらっしゃいますか?
私は毎日、あなた様のメールを
フォルダに保存しております。
件名、送信時刻、本文の文体の変化。
記録はすでに132通。
安心してください。
こちらも努力は惜しみません。
配信停止を希望します。
もし明日も届くようであれば、
私はあなた様の次の一手を、
楽しみに待つことに致します。
あなた様が私を追うのか。
それとも。
私が、あなた様を追う番になるのか。
敬具
追伸:
本メールは自動送信ではありません。
あなた様の「目」で、
読んでいただけることを
願っております。
今日も1日御安全に!!!🐼