パンダ警備合同会社|徳島市内の交通誘導警備、イベント・雑踏警備。男女警備員も大募集中!

  • 男女警備スタッフ募集中!
  • 経験者優遇、未経験者もOK!
  • 24時間/年中無休
  • いつでも連絡いけますが、イタズラ電話やめて下さいな。
  • 088-602-7020
  • 募集要項はこちら
TOP >  『募集は終わらない』

NEWS

2026/02/28『募集は終わらない』

最初に見たのは、

電柱に貼ってあった小さいチラシだった。

男女警備スタッフ大大大募集!!!

未経験歓迎

笑顔で見守るお仕事です

端っこに、白と黒の丸い顔。

パンダっぽいけど、目がやけに黒い。

連絡先はQRコードだけ。

電話番号はない。

その頃、俺は仕事を辞めたばかりだった。

資格もないし、貯金もあまりない。

夜勤は平気だし、警備ならできそうな気がした。

何より、時給がちょっと高すぎるくらい高い。

まあ、いいか。

俺はQRコードを読み込んだ。

画面は真っ黒。

数秒たって、文字が出る。

「こちらを見てください。」

急にカメラが起動する。

自分の顔が映る。

読み込みバーがゆっくり進む。

「適性測定中」

まだ名前も住所も入力していないのに。

ちょっと気持ち悪いな、と思ったけど、

そのまま画面は消えた。

次の日、メールが届く。

件名:採用のお知らせ

履歴書も送っていない。

面接もしていない。

本文は一行だけ。

「あなたは、ちょうど良い。」

何が?

そう思ったけど、

俺は指定された場所に行くことにした。

駅前の再開発エリア。

新しいビル。白い外壁に黒い窓枠。

入口にロゴがある。

丸い顔。

その下に書いてある。

「均衡を守る仕事です。」

なんか難しそうだけど、

警備ってそういうものかもしれない。

初出勤の日。

事務所には誰もいない。

机の上に制服が置いてある。

サイズもぴったり。

名札には俺の名前。

でも裏返すと、

知らない名前が彫ってある。

見覚えがある気がする。

でも思い出せない。

まあいいか、と胸につけた。

仕事は単純だった。

出入口に立って、

人の流れを整える。

混みそうなら止める。

空いたら流す。

それだけ。

でも、不思議なことがあった。

無線が入る。

「要観察。」

見ると、特に怪しくない人。

ただ、ちょっとだけ変。

歩き方がほんの少しズレている。

笑うタイミングが半拍遅い。

肩の高さが微妙に違う。

ほんの少しだけ。

三日目。

無線が鳴る。

「要観察:あなた。」

え?

周りを見る。

他の警備員は動かない。

みんな同じ制服。

同じ笑顔。

目の周りが、少し黒い。

ガラスに映る自分を見る。

目の下にうっすら影がある。

昨日より濃い。

丸く、囲むみたいに。

「均衡未達。」

無線が言う。

俺の立ち位置がズレているらしい。

一歩、右へ動く。

「均衡達成。」

その瞬間、

人の流れがぴたりと揃う。

エスカレーターの間隔。

歩幅。

笑うタイミング。

全部、きれいに揃う。

ちょっと怖いけど、

なんだか気持ちいい。

ある夜、監視室に呼ばれた。

モニターに街が映っている。

駅前、商店街、公園。

あちこちにパンダ警備員が立っている。

よく見ると、

どの顔も俺に似ている。

角度が少し違うだけ。

「募集は終わらない。」

後ろから声。

振り向くと、

名札の裏にあった名前の男が立っていた。

目の周りが真っ黒。

「均衡を保つには、数がいる。」

モニターの中で、

新しいチラシが貼られる。

男女警備スタッフ大大大募集

誰かがQRコードを読み込む。

カメラが起動する。

「ちょうど良い。」

また一人、選ばれる。

無線が鳴る。

「交代時刻。」

目の前に、スーツ姿の男が立っている。

少し不安そうな顔。

目の周りは、まだ白い。

少しズレている。

俺は穏やかに笑う。

左右ぴったり同じ角度で。

「大丈夫です。」

「すぐ慣れますよ。」

翌朝、街はいつも通り。

事故もトラブルもない。

白と黒の制服が、あちこちに立っている。

丸い目で、静かに見守る。

電柱には、また新しいチラシ。

あなたは、見られる側ですか?

それとも、見守る側ですか?

QRコードが、ゆっくり点滅している。

俺はそれを、

ちゃんと同じ角度で見つめている。

 

今日も1日御安全に!!!🐼

こちらもどうぞ