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2026/05/15パンダ警備百点会③『遅すぎた答え合わせ』

獏郎は、もういない。

それでも――

“痕跡”だけが残っていた。

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朝。

事務所。

林田「……静かすぎるやろ」

長松「電話、一本も鳴らんですね…」

廣川「…異常やな」

沖は、何も言わず壁にもたれている。

天音だけが、薄く笑う。

梅おにぎり師匠はやっぱり何か食っている。

野高は交通渋滞に巻き込まれてまだ来ていない。

沼田は、爆睡。

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社長は管制表とにらめっこ。

「おかしい…こんな一気に…」

契約は、ほぼゼロ。

唯一残っていた得意先も――

消えた。

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そのとき。

一本の電話。

社長「はい、パンダ警備です」

相手「すみません、もう御社とは…」

社長「え?いや、あの現場は…」

相手「人が足りないって、大和田さんから…」

社長「……は?」

空気が止まる。

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社長「大和田…?」

相手「辞める前に、説明受けましたよ」

相手「このままだと回らないって」

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電話が切れる。

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社長の手、震える。

「……言ってないぞ、そんなこと」

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現場。

沖が戻ってくる。

沖「…聞いたで」

林田「なんて?」

沖「“人おらんから無理や”って、あいつが断っとった」

長松「え…勝手に!?」

廣川「…筋通っとるようで、一番汚いな」

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さらに――

別の隊員が走ってくる。

「林田さん!あの現場…!」

林田「どうした!?」

「会社名、変わってます!」

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全員で向かう。

そこにあったのは――

見覚えのある配置。見覚えのある導線。

ただ一つ違うのは、

看板。

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「ダークコネクト」

見たことも聞いたこともない名前。

ダーク、、?

闇?

コネクト、、、?

繋ぐ、、?

闇で繋ぐ、、?

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長松「……うそやろ」

林田「丸ごとやないか…」

廣川「…完全に移行されとる」

天音「ふふ、綺麗にお引越しだねぇ」

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沖、看板を睨む。

「……全部、あいつや」

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点と点が、繋がる。

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・妙に広がっていた“潰れる噂”

・辞める前に増えた不信感

・急に減った現場

・理由のない契約終了

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全部――

大和田獏郎。

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社長室。

社長が一人、椅子に座っている。

机の上には、解約通知の山。

その一番上に、メモ。

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「人員不足のため継続困難と判断」

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社長「……誰が判断したんや」

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沈黙。

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ドアが開く。

沖が入ってくる。

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沖「社長」

社長「……なんや」

沖「全部、あいつです」

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社長、顔を上げる。

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沖「噂も、契約も、現場も」

沖「全部、大和田獏郎がやっとる」

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社長の目が揺れる。

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社長「……証拠は」

沖「辞める2ヶ月前から会社の法人登記設立してます。」

社長「なんやて…。」

社長「俺は昔、辞める日にあいつに聞いたことがあるんや。」

沖「何をですか?」

社長「パンダを辞めたらどうするんやと…。」

沖「その時、大和田はなんて言ってたんですか…?」

社長「俺には真顔で警備会社なんかしないと…。」

  「辞めたらゆっくり考えると…。」

  「おまけに何のことですか?」とまで言われたわ。

沖「それは本当ですか?」

社長「本当や。」

社長「だったらあれは全てなにもかも嘘だったのか…。」

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社長、膝から崩れ落ちる。

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一瞬の間。

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沖「全部“闇で繋がってます”」

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その言葉だけで、十分やった。

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社長、ゆっくり立ち上がる。

「……そうか」

拳を握る。

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社長「ほな、終わりやないな」

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外。

風で揺れる「パンダ警備」の看板。

色褪せている。

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林田「…どうするんですか」

沖、静かに言う。

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「取り返す」

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天音、笑う。

「やっと始まるねぇ」

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その頃。

ダークコネクトの事務所。

新品の机。

整った名簿。

順調に回る現場。

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その中心にいる男。

大和田獏郎。

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獏郎「パンダは終わりや」

コーヒーを一口。

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獏郎「次は、俺の番や、俺の時代や!」

「グググ…ヒッ…ヒヒヒ…キィィィィ…ヴハハハハ…………。」

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今日も1日御安全に!!!🐼

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