
今日も営業の人が覗きに来た。
「近くまで来たもので。」
そう言いながら事務所のドアを開ける。
前にも来た人だった。
営業の話をするために来たはずなのに、
気が付けば警備の話になり、
ホームページの話になり、
最後には世間話になっている。
帰り際、その人は笑いながら言った。
「また寄ります。」
契約の話でもない。
商談の約束でもない。
なのに、また来るらしい。
不思議なものである。
パンダ警備には時々そういう人が現れる。
ホームページを見て電話してきた人。
一度仕事を頼んでくれた人。
営業で訪ねてきた人。
みんな何かの用事で来るのだが、二回目から理由が少し曖昧になる。
「近くだったので。」
「思い出したので。」
「なんとなく。」
そのうち理由などどうでもよくなる。
気になったから来た。
ただそれだけだ。
夕方になり、事務所の前を車が一台ゆっくり通り過ぎた。
見覚えのある車だった。
以前ホームページを見て電話をくれた人
である。
窓が少し開き、手だけがひらひらと
振られる。
こちらも手を振り返す。
それだけで終わる。
営業でもない。
依頼でもない。
ただの挨拶だ。
それなのに、なんだか悪くない。
気が付けばパンダ警備には、仕事だけでは
説明できない縁が少しずつ集まっていた。
ホームページの向こう側から始まった縁。
電話一本から始まった縁。
そして今日もまた誰かが言う。
「なんか気になりまして。」
どうやら、その言葉がパンダ警備の
入場券らしい。
今日も1日御安全に!!!🐼