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2026/06/06なんか気になりましてⅢ〜名前のないメール〜

その日、電話は鳴らなかった。

営業の人も来なかった。

事務所の前を知った顔の車が通ることも

なかった。

静かな一日だった。

社長の藤枝は書類を整理しながら、

ふとホームページを開いた。

見慣れた画面だった。

何度も見ている。

作った本人だから当然である。

それでも時々、自分でも見てしまう。

なぜなのかはよく分からない。

隊員たちは現場で働いている。

道路には車が流れ、人は歩き、工事は進む。

警備会社としては、それが一番大事な仕事だ。

ホームページを見に来る人がいてもいなくても、仕事は続く。

だが夕方近く、一通のメールが届いた。

問い合わせでもない。

見積り依頼でもない。

短い文章だった。

「ホームページ、時々見ています。」

それだけだった。

名前も会社名もない。

用件もない。

ただ、その一文だけ。

藤枝は少し笑った。

たぶん返事もいらないのだろう。

誰かがどこかで見ている。

それだけ伝えたかったのかもしれない。

外では夕日が道路を赤く染めていた。

隊員たちが一日の仕事を終えて戻ってくる。

いつもと同じ景色だ。

だけど少しだけ違って見えた。

パンダ警備は有名な会社ではない。

大きな会社でもない。

それでも気にしてくれる人がいる。

時々ホームページを覗く人。

思い出したように電話をくれる人。

近くを通ると顔を出す人。

そして、名前も名乗らずにメールを送る人。

どうやら世の中には、説明のつかない縁というものがあるらしい。

その夜、事務所の灯りを消す前に、

藤枝はもう一度ホームページを開いた。

画面は昨日と何も変わっていない。

けれど、どこか違って見えた。

誰かが見ていると思うだけで、景色は少し変わるのである。

そして明日もまた。

電話が鳴るかもしれない。

営業の人が覗きに来るかもしれない。

あるいは何も起きないかもしれない。

それでもきっと、どこかで誰かが思い出す。

「あのパンダの会社、どうしてるかな。」

そんなふうに。

今日も1日御安全に!!!🐼

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