パンダ警備合同会社|徳島市内の交通誘導警備、イベント・雑踏警備。男女警備員も大募集中!

  • 男女警備スタッフ募集中!
  • 経験者優遇、未経験者もOK!
  • 24時間/年中無休
  • いつでも連絡いけますが、イタズラ電話やめて下さいな。
  • 088-602-7020
  • 募集要項はこちら
TOP >  夜、レコードを聴きながらフリーレンのフィギュアを撮影しました

NEWS

2026/08/13夜、レコードを聴きながらフリーレンのフィギュアを撮影しました

 

カフカの『断食芸人』を読んだ。

最初は、ずいぶん奇妙な男の話だと思った。

食べない。ただそれだけのことを、

彼は職業にして、人々に見せている。

人々は彼を見物し、驚き、やがて飽きる。

そして彼の存在を忘れていく。

考えてみれば、ずいぶん静かな商売だ。

でも、読み終わってから少し考えてみると、奇妙なのは断食芸人のほうではなく、

彼を見ている人々のほうなのかもしれないと思った。

彼は最後まで断食をやめなかった。

けれど、それは強い意志があったからではない。

彼は言う。

「自分にとっては、断食することがいちばん

簡単だった」

この言葉が、妙に残った。

人間は、ときどき自分でも理由のわからないことを続ける。

誰かに認めてもらいたいわけでもない。褒められたいわけでもない。ただ、それ以外の生き方がうまくできないから、それを続けている。

周りの人間は、それを「信念」と呼んだり、「才能」と呼んだりする。

でも本人にとっては、もっと単純なものだったりする。

それが少し怖い。

僕は夜になるとレコードを聴く。

ターンテーブルにレコードを置いて、針を落とす。

小さなノイズがして、音楽が始まる。

誰かに聴かせるためでもない。

もちろん、誰かに聴いてもらえたら嬉しい。でも、誰にも聴かれなくても、たぶん僕は針を落とす。

そう考えると、少しだけ断食芸人のことがわかるような気がした。

人間は、何かを続ける理由を後から作るのかもしれない。

レコードを集める理由も、本を読む理由も、仕事を続ける理由も。

それが好きだから、と言えばそれで済む。

けれど、「なぜ好きなのか」と聞かれると、少し困る。

もしかすると、本当は理由なんてないのかもしれない。

断食芸人は最後には誰にも見られなくなる。

檻の中で、ほとんど何も残さずに死んでいく。

そして、そのときになってようやく、自分がなぜ断食していたのかを口にする。

その理由は、あまりにも単純で、だからこそ悲しい。

食べたいものを見つけられなかった。

それだけだった。

本を閉じたあと、部屋は静かだった。

ターンテーブルの上には、さっきまで聴いていたレコードが止まっている。

黒い盤は何も言わない。

僕はしばらく、それを眺めていた。

人はみんな、それぞれの檻の中で何かをしている。

仕事をしたり、音楽を聴いたり、本を読んだり、何かを集めたり、誰かに認められようとしたりする。

そして、ときどき思う。

自分はいったい、何を食べたくて、ここまで来たんだろう、と。

もし、その答えが見つからないまま、毎日同じことを続けていたとしたら。

もし、それを誰も不思議に思わなくなったとしたら。

そして最後に、自分自身でさえ、それが「なぜなのか」を忘れてしまったとしたら。

そのとき、檻はもう必要ない。

自分が檻そのものになっているからだ。

『断食芸人』は、食べない男の話ではない。

自分が本当に欲しいものを見つけられない人間の話なのだと思う。

そして、そういう意味では、この話は百年以上前に書かれたものなのに、少しも古くない。

むしろ、今のほうがずっと身近なのかもしれない。

レコードが止まった。

でも、針を上げる気にはなれなかった。

今日も1日御安全に!!!🐼

こちらもどうぞ