
とある仕事終わりで。
パンダ警備の社長、藤枝友和が事務所で難しい顔をしていた。
沖が聞く。
「社長、どうしたんですか?」
「納得いかんのや!」
「競馬ですか?」
「違う。姓名判断や。」
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藤枝はスマホを見せた。
人格……凶。
地格……凶。
外格……凶。
家庭運……凶。
仕事運……凶。
金運……凶。
健康運……凶。
沖は吹き出しそうになった。
「社長、逆にすごいですね。」
「全部や。」
「ここまで揃うんですね。」
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しかし。
一番下に書いてあった。
総合運:吉凶混合
「なんでや!!」と林田もツッコむ。
全項目凶なのに、なぜか総合だけ吉凶混合。
まるでテストで全教科0点なのに、
通知表に
『総合評価:まあまあ頑張った』
と書かれているようなものである。
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全員固まった。
「え?」
「は?」
「なんで?」
事務所がざわつく。
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その時、沼田資格者76歳が老眼鏡をかけて言った。
「どれどれ……」
しばらく眺めて、
「機械が途中で諦めたんやろ。」
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爆笑。
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そこへ天音登場。
「全部凶なのに吉凶混合?」
「そうや。」
「占い師も怖くなったんじゃないですか?」
「何がや。」
「全部凶って書いたら怒られそうで。」
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また爆笑。
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さらに今谷。
「社長の人生見たら分かりますよ。」
「どういうことや。」
「会社作った。」
「うむ。」
「隊員集まった。」
「うむ。」
「沖さんいる。」
「うむ。」
「毎日何か起きる。」
「うむ。」
「だから吉と凶が混ざってます。」
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みんな妙に納得した。
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その時だった。
沖が決定打を放つ。
「社長。」
「なんや。」
「全部吉だったら今頃どうなってたと思います?」
「知らん。」
「毎日ハワイで昼寝してます。」
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爆笑。
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野高が続ける。
「全部凶だから今ここで交通誘導してるんですよ。」
「余計なお世話や!」
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事務所は大笑い。
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林田もひと言。
「もし全部吉だったら、たぶん今ごろ
大和田獏郎みたいになってます。」
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それも爆笑。
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最後に沼田が静かに言った。
「社長。」
「なんで?」
「占いは全部凶かもしれん。」
「うむ。」
「でも隊員がおる。」
「うむ。」
「会社も続いとる。」
「うむ。」
「だから吉凶混合なんや。」
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少しだけ感動的な空気になった。
その瞬間、
沖がスマホを覗き込んで言った。
「あ。」
「どうした。」
「別のサイトで見たら総合も凶でした。」
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3秒の沈黙。
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藤枝友和社長は静かにスマホを閉じた。
「今日はこの話、終わりや。」
しかし事務所の全員は見ていた。
社長がその夜、
別の姓名判断サイトを12件巡回していたことを。
そして12件中11件が凶だったことを。
残る1件は――
「努力次第」
だった。
今日も1日御安全に!!!🐼